なぜいきなり万年筆ではなくローラーボールに手を出したかというと、最近人にペンを貸さざるを得ない状況にちょくちょく遭遇しまして……そういったときに万年筆しか持っていないと、涙を呑んで万年筆を貸すのです。そしてネジ式キャップを引っ張られて心のなかで「やめろ貴様ぁーーー!!!」と叫ぶのです。筆圧も筆記角度も私とはまるで違う書き方で使われるのです。今の生活の中で何よりもストレスになります。泣きそうになります。こんなことが続いたら胃に穴が開くかもしれません。
ならば安物でも何でも人に貸す用のボールペンを持ち歩けばいいじゃないかというかもしれません。しかし人に貸す用となると常に持ち歩くわけです。私は何のこだわりもない安ボールペンを常に持ち歩くなんて耐えられません。
そこで思いました。前々から欲しいと思っていたLAMY swift、こいつを買おう。swiftならばきっと持ち歩くだけでも楽しい。さらにローラーボールでありながらノック式。キャップ式に比べて機動性に勝る。何ら非の打ち所がありません。こいつを買おう。そう決めました。
そしてやってまいりました、LAMY swift。
文具好きならば知っている人のほうが多いでしょう。ノックするとクリップが軸にすっぽりと隠れてしまうペンです。
色はブラックです。3分くらい散々迷ったあげく適当に決めました。全部いいなと感じているんだからなに買ったって満足するんです。
まずはギミック。前述のとおりにノックすると共にクリップが引っ込みます。この状態ならば、当然ながらペンをどの角度で持ってもクリップが邪魔に感じることは一切ありません。LAMY2000FPのインク窓が筆記時には見えなくなるように、筆記するときの「ON」と筆記しないときの「OFF」を明確に区別し、「ON」のときに不要な機能は排除する。この発想はLAMY以外にはなかなかないものですね。
次に書き味。これもまたいい。M66リフィルはインクフロー過多気味と言われますが、その割には速乾性に優れており筆記直後に指で擦っても全く問題ありません。
しかしCampusのレポート用紙にはわずかに滲み+裏抜けが。ノートの方では裏抜けは起こりませんでした。いずれにしろ許容範囲内。あと、たまに描線が細くなる瞬間があります。これはペン先がこなれていけばなくなるのでしょうか。などと考えるのは万年筆ユーザーの幻想か。
さて、このペンは前述の通り常に持ち歩くことが買う前から決定しておりました。しかしこのペンを差しておく余裕が作業着のペンポケットにありません。いかにしたものか。
いまのところ空いている席はロールペンケースのなかか、システム手帳のペンポケット。しかしどちらも「常に」持ち歩くとまではいきません。やはり作業着に備え付けでないと……。そうなると、作業着の適当なポケットに差しておくか、L2kをシステム手帳に左遷するか。ひとまず前者でいこうとおもいます。目指せ作業着にペン10本。
このペンを買った最大の目的は「人に貸す」ですが、このペンはそんな身代わりに甘んじるペンではありません。やはり使ってなんぼです。そこで授業のノートを何割かswiftでとろうと思います。どの授業をswiftの出番にするかはおいおい決めましょう。筆記から筆記の間隔が短く、書いては休み書いては休みといった授業が標的です。そういう授業は万年筆ではキャップの開閉が煩わしい。そういったときこそノック式RBの真骨頂でしょう。