2014/11/24

Montblanc Meistrestück 149

 モンブランの代表的な万年筆、マイスターシュテュックの149です。


 万年筆といえばこれ、というほど有名なペンで、見た目も実に万年筆の王道的なものです。


 やはり万年筆好きとしては(世間一般的には)最高の万年筆に挙げられるモンブランの149は持っておきたいと思い、現行品は買う気がしないので中古を買いました。


 このペン先は18C表記の60〜70年台のものと思われます。柔らかさは……ヴィンテージという言葉から期待するものには届いていないですね。M1000やViscontiのパラジウムのほうがはるかに柔らかいです。

 書き味は少々サリサリしていたので少し自己調整しました。描線含め好みに近づいて満足。


 インク窓は透明度が高く見やすいです。
 不満点は尻軸にキャップを挿してもしっかり固定されないことです。キャップのみ現行品になっているものなので仕方ないのかもしれません。


 インクはCaran d'Acheの新しいインク、Magnetic Blueを入れています。このインクもBB系としてかなり好みの色合いです。彩度・明度低く目にやさしい。

2014/02/09

Visconti Opera Master Demo Rain Forest(23Kt Pd)


 ヴィスコンティの限定品、オペラマスターデモを中古で購入しました。
 このペンは本来18金のペン先が付いているのですが、海外限定か、23カラットのパラジウムニブがついたものも出回っているようです。私が購入したものもこのパラジウムニブ。噂のM1000に匹敵する柔らかさを試してみたかったこともあり、衝動買いしてしまいました。
 ヴィスコンティは今後金ペンをパラジウムに転向するという噂がありますが、その話が聞こえてきて相当経つのにまだパラジウムニブは少ないです。限定品以外ではホモサピエンスしかありません。
 そしてホモサピエンスはインク窓がない! インク残量を確認できない時点で私の選択肢からは外れます。
 パラジウムニブ、インク残量確認可能、パワーフィラー、重いの4項目も満たすペンは今のところ、限定品しかないのではないでしょうか?
 といった事情があるため、見つけた時点で即確保してしまったわけです。

 このペンを手にしてまず思う、重い!
 私の持っているペンの中でもトップでしょう。インクが中途半端に入った状態ですが量ってみると、61g! 重い重いと思っていたマーレ・ティレニアが41gだったので、実に1.5倍です。742FAなんて24gですよ。筆記具としては異常とも言える重さです。
 私は重いペンが大好きなのでこの重さも苦にはなりませんが、さすがにこれ以上は辛いかな、と思います。60g近辺は上限でしょうね。



 更に、このペンは長い!
 私はキャップを後ろにさして書くのですが、この状態での長さが非常に長い。しかもキャップ単体で20g弱もあるため、とんでもないリアヘビーになります。
 重心位置にあまりこだわりのない私でも「これは駄目だ……」と思ってしまいました。そのため、私にしては珍しくキャップを後ろにささず使っています。それでも長さが足りないということはないのでいいのですが。

 吸入方式はダブルタンクパワーフィラー。これはプランジャー式の改良です。
 プランジャーでは筆記するたびに尻軸を緩めてインクタンクとペン芯を遮断しているピストンを開けなければいけません。
 それが面倒なため、ピストンの先にもう一個小さいインクタンクを作り、その小タンクが尽きたときだけピストンを緩めて小タンクを補充するという考え方です。
 正直なところ、823のピストンを開けっ放しにしている私にはさほどメリットを感じません。この小タンクの容量分、負圧が弱くなって一回で吸入できる量が減るため、デメリットのほうが大きいかもしれません。面白いですけどね。



 軸のアクリロイドは綺麗です。これも軸の表面だけではなく、厚み方向にも変化があります。
 キャップのネジは4条ネジで、うまい位置でキャップを閉めるとペン先とクリップが一直線に並びます。尻軸もネジを締めた状態で四角形の軸にピッタリ合った状態で止まりますし、イタリア製の持つイメージにそぐわない精度です。どうやって調整しているのでしょうか。



 ただ、一つ残念なのがペン先のメッキがずれていること。まあ標準的なイタリアクォリティなんでしょうね……。



 肝心の書き味は上々。
 M1000のようだと言われるペン先の柔らかさは、私が感じる分には確かに柔らかいけれどもM1000には一歩及ばないといった印象。しかし字幅が太いこともあって、非常に滑らかで気持ちよく書けます。
 筆圧によるペン先の開きは大きく、線に強弱がつけやすいです。入れているインクはエーデルシュタインのトパーズ。
 フローもよく、書き出しスキップもなし。書き味に関しては何も不満はありません。

 この重さと大きさでだいぶ好みが分かれそうですね。

2013/07/15

Pilot Custom 742 FA

 一時期万年筆の動画が流行ったことがありましたね。改造エラボーの動画です。
 あれはどんな改造をしてるのかわかりませんが、普通のエラボーではあんな字は書けません。
 じゃあ何なら書けるか。答えはフォルカン。


 もともとM1000でも柔らかさが物足りないと感じていたので、超軟調のフォルカンは試してみたいペンの一つでした。


 特徴は余計な刻印のないつるんとしたペン先と、なんといっても両側面がえぐられた特徴的なニブ形状。こんな形状ならば柔らかいのは当然のことです。もちろん地金の厚みが一番大きな因子ですが。


 このとても柔らかいペンは筆圧をかけるとペン先が面白いように開きます。それを利用すればこんな文字を書くことも可能です。例の動画のようではないですか。


 初のパイロットの両用式ということで、CON70を装着しています。これの吸入機構は不思議ですね。プランジャみたいな仕組みなんでしょうか? 大容量のためまだ継ぎ足しの吸入はしてません。


 使い勝手ですが、軟調ペン大好きな私でも流石にこれは柔らかすぎるかもしれません。ゆっくり落ち着いて文字を書くにはいいかもしれませんが、普段使いには少々不向き。


 また、軟調ゆえか書き出しスキップがひどいです。ペン先を見る限り馬尻などのような変な形状にはなっていないのですが……インクとの相性でしょうか。ペンクリ持ち込みも考えたほうがいいですね。

2013/04/13

KENT Planimeter


 内田洋行の帰零機能付きプラニメータです。ロマンあふれるアナログ式。


 プラニメータとは面積計のことで、この器具で図形の輪郭を時計回りになぞるとその面積を示してくれるという優れものです。こんなシンプルな機器なのにねぇ。
 原理はググればいくつか出てきますが、これがまたとっても複雑! なかなか理解は難しいです。


 これはヤフオクでの入手です。今はデジタル式しか製造されていないようですし、それは諭吉さん18人分くらいなので手が出ません。なによりデジタルなんてつまらない。ウォームが数取り車を回す様が観察できなかったら意味がありません。
 そして気になるお値段は送料など込みで1800円! すばらしいお手頃価格。どうも出品者の方はこれを何に使うものかすらわかっていなかったようでした。宅急便の商品名が「Zero Setting」だったくらいですから……。なので、即決価格1000円というとんでもなく安い値段だったようですね。
 ケースを見ると欠落しているものがあるようですが、どう見てもドライバーなのでいくらでも代用は利きます。問題ありません。


 測定するためのポインターは針になっているものとレンズになっているものの2種類がありますが、こちらはレンズのタイプです。


 測る面積の縮尺によって測桿の長さを調整します。どの長さにするかは付属の表から。この個体では一番基本的な1:1での長さが149.0 mm。万年筆好きなら容易に暗記できる数字です。ラッキー。
 あとは同じ面積でも測桿を長くすれば読みが小さく、短くすれば読みが大きくなります。比率だけ欲しい場合なんかで拡大して計測したいなら適当に短くすればいいのです。


 また、測定部側面に出たレバーを押すと帰零ができる作りになっています。しかし最初は帰零したときのゼロ点が1目盛ずれていました。
 これは測定部の底にある2つの調整ネジでバーニアを動かせるようになっており、これでゼロ点を合わせました。

 早速測桿を149.0 mmに合わせ、□100の面積を計測。するとちょうど測輪が1回転し、数取り車が1目盛動きました。つまり10000 mm^2で測輪100目盛分ということです。バーニアで0.1目盛までを読み取れますから、最小読み取り単位は10 mm^2ということですね。もちろん測桿を縮めればもっと細かく読み取れるでしょうけど。

 さて、これを買ったはいいですが、何に使えばいいのか。面積読み取る機会なんて殆どありませんからねぇ……。