2012/11/17
趣味の文具箱×Sailor Professional Gear Realo NMF
趣味文限定ブルーのプロギアレアロ、長刀です。
店員さんが通常ラインのレアロに長刀はないとおっしゃってましたが、セーラーショップで受注生産品ながら普通に売っていますね。ちょっと騙された気分。
私は長刀を初めて使いますが、このペン先は入手以前から日本語に最も適したペン先だと思っていました。なぜなら多くの太字万年筆と違い、このペン先は縦細横太の描線が引けるからです。
そもそも漢字を最も美しく書ける筆記具といえば筆以外にないでしょう。その筆も縦細横太。筆と似た描線の長刀が美しい日本語を書けることは自明でしょう。
対して万年筆の一般的な太字は縦太横細。アルファベットを書くには優れた形ですが、漢字を書くには……。面白い、という評価はできても適しているとは言いがたく思います。
カリグラフィーペンで書いた文字と比べても、長刀のほうが整った印象に見えます。これのグレードアップ版のようなキングイーグルも欲しくなってしまいます。
線の太さはNMF、つまり長刀中細となっていますが太いです。国産M相当であるWAと比べても全く違います。
また、ペンの角度によって線の細さを変えることができます。ただこの太さ、この描線に惹かれて手にしたものなので、それを最大に生かせる角度以外では書く気がおきません。
書き味はそこまで良くはありません。インクの粘度も少々低いようですが、それでもサリサリとした抵抗があります。自己調整したM1000のぬらぬら加減と比べると、やはりそこまで気持ちよさはありません。まあこの描線が引けるなら些末事です。
軸ですが、非吸入のプロギアに比して違う点は一見して三箇所です。インク窓、尻軸長さ、そして天冠。インク窓と尻軸は吸入式のための変更ですが、天冠はちょっと残念。以前買ったプロギアは立体的な錨のマークでした。銀一色なのは塗料が剥がれてしまったからです。そして今回買ったレアロの天冠は印刷しただけのようなのっぺり感。高級感は確実に落ちています。
そして見た目以外で驚いたことが一つ。このペン、とても軽いです。通常のプロギアと比べてみたところ、なんと吸入式でありながら通常のものよりも軽くなっています。秤で計測してみると
通常:25.3 g
レアロ:21.2 g
と、なんと4 gも軽い。インクを入れたままなので正確な数値ではありませんが、16%の軽量化は持った時にはっきりと感じることができます。これだけ軽いということは、吸入機構の殆どの部品は樹脂製でしょう。初期投資が大きいにもかかわらず樹脂部品を多く利用するということは、それだけ軽量化にこだわり、そしてレアロに期待しているということなのでしょうか? 後者はおそらく違うように思いますが。
ここまで軽量化されたレアロですが、重いペン好きな私にとっては好ましいことではないんですよね……。リアヘビーも嫌いじゃないですし。まあ、悪いとは言いませんけど。
軸色は趣味の文具箱のイメージカラー、青が採用されています。また、天冠と尻軸、首軸は黒い樹脂のままです。深く暗い青と黒の組み合わせはなかなか合っています。
ペン先は銀一色です。本当はバイカラーが好きなんですが、この軸には銀一色のほうがいいかもしれません。
また、インク瓶がひとつついてきます。名前は趣味の文具箱ブルー。ナガサワで買ったら同じインクをもう一瓶つけてくれました。今回買ったペンにはストレートにこの付属インクを吸入。
私は明るめの青はデュポンのロイブルしか持っていませんでした。そのロイブルを買ったときは鮮やかではっきりした青だと思いましたが、今回のブルーを見たあとではくすんで見えます。
またもや前回使った色見本を再利用。一番下が趣味文ブルーです。
赤みを殆ど感じず、彩度高く、濃いのに明度は低過ぎない。これを青と言わず何を青とする、と言わんばかり。ロイブルは紫がかっていると言いますが、ようやく理解できました。青は色相環では赤と緑の間ですが、このインクはどちらにも偏っていない、純粋な青に見えます。
また、セーラーの青ということで赤光りを心配していましたが、大したことはありませんでした。
しかしこのインクは鮮やかすぎる。こればかりを使っていると目が疲れてしまいそうです。そんな時はデュポンのロイブルがいいですね。このインクよりもわずかに彩度が低いのですが、その少しの差が優しげな印象を与えます。
インク瓶の他におまけがもうひとつ。ASHFORDの革のキーホルダーです。あんまり活用法が見いだせません……。特にキーホルダーつけるようなものもありませんし。
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