ヴィスコンティの限定品、オペラマスターデモを中古で購入しました。
このペンは本来18金のペン先が付いているのですが、海外限定か、23カラットのパラジウムニブがついたものも出回っているようです。私が購入したものもこのパラジウムニブ。噂のM1000に匹敵する柔らかさを試してみたかったこともあり、衝動買いしてしまいました。
ヴィスコンティは今後金ペンをパラジウムに転向するという噂がありますが、その話が聞こえてきて相当経つのにまだパラジウムニブは少ないです。限定品以外ではホモサピエンスしかありません。
そしてホモサピエンスはインク窓がない! インク残量を確認できない時点で私の選択肢からは外れます。
パラジウムニブ、インク残量確認可能、パワーフィラー、重いの4項目も満たすペンは今のところ、限定品しかないのではないでしょうか?
といった事情があるため、見つけた時点で即確保してしまったわけです。
このペンを手にしてまず思う、重い!
私の持っているペンの中でもトップでしょう。インクが中途半端に入った状態ですが量ってみると、61g! 重い重いと思っていたマーレ・ティレニアが41gだったので、実に1.5倍です。742FAなんて24gですよ。筆記具としては異常とも言える重さです。
私は重いペンが大好きなのでこの重さも苦にはなりませんが、さすがにこれ以上は辛いかな、と思います。60g近辺は上限でしょうね。
更に、このペンは長い!
私はキャップを後ろにさして書くのですが、この状態での長さが非常に長い。しかもキャップ単体で20g弱もあるため、とんでもないリアヘビーになります。
重心位置にあまりこだわりのない私でも「これは駄目だ……」と思ってしまいました。そのため、私にしては珍しくキャップを後ろにささず使っています。それでも長さが足りないということはないのでいいのですが。
吸入方式はダブルタンクパワーフィラー。これはプランジャー式の改良です。
プランジャーでは筆記するたびに尻軸を緩めてインクタンクとペン芯を遮断しているピストンを開けなければいけません。
それが面倒なため、ピストンの先にもう一個小さいインクタンクを作り、その小タンクが尽きたときだけピストンを緩めて小タンクを補充するという考え方です。
正直なところ、823のピストンを開けっ放しにしている私にはさほどメリットを感じません。この小タンクの容量分、負圧が弱くなって一回で吸入できる量が減るため、デメリットのほうが大きいかもしれません。面白いですけどね。
軸のアクリロイドは綺麗です。これも軸の表面だけではなく、厚み方向にも変化があります。
キャップのネジは4条ネジで、うまい位置でキャップを閉めるとペン先とクリップが一直線に並びます。尻軸もネジを締めた状態で四角形の軸にピッタリ合った状態で止まりますし、イタリア製の持つイメージにそぐわない精度です。どうやって調整しているのでしょうか。
ただ、一つ残念なのがペン先のメッキがずれていること。まあ標準的なイタリアクォリティなんでしょうね……。
肝心の書き味は上々。
M1000のようだと言われるペン先の柔らかさは、私が感じる分には確かに柔らかいけれどもM1000には一歩及ばないといった印象。しかし字幅が太いこともあって、非常に滑らかで気持ちよく書けます。
筆圧によるペン先の開きは大きく、線に強弱がつけやすいです。入れているインクはエーデルシュタインのトパーズ。
フローもよく、書き出しスキップもなし。書き味に関しては何も不満はありません。
この重さと大きさでだいぶ好みが分かれそうですね。
筆圧によるペン先の開きは大きく、線に強弱がつけやすいです。入れているインクはエーデルシュタインのトパーズ。
フローもよく、書き出しスキップもなし。書き味に関しては何も不満はありません。
この重さと大きさでだいぶ好みが分かれそうですね。