で、これがあれば以前にやっためっきの影響の積分が簡単にできるじゃありませんか。以前にやった積分が合っているか、確かめてみました。
結論を書きますと、大間違い。元のものは一年以上前の計算なのでもはや過程を覚えていませんが、当時の私は計算詰めで疲れていたのでしょうか。そうとう苦労した覚えもありますし、少々投げやりだったのかも知れません。arctanの微分ね……。普段使わないので盲点でした。公式も導出はできますが覚えてませんし。
しかし、Wolfram Alphaを使えば五日間やり通しで、挙句間違っていた計算がほんの数秒で……。文明の利器とは素晴らしい。出た結果を自分で積分して確かめるのには数時間必要としましたが。答えがわかっていると、そこにたどり着くまでの道筋も朧げながら浮かんできますね。それでも数時間かかったのは私の数学能力の問題です。
では正しい式をば。計算の過程はちょっと数学ができる人ならばWolfram Alphaでどうとでもなるので、
を二階積分してdy(l)/dx = 0, y(l) = 0の境界条件から積分定数を求めたあとのy(0)だけ示します。
定数a, bは以前の記事と同じ、
めっきなしの場合。
めっきありの場合。
で示されます。これがペン先丸み、ペン先厚み勾配を無視した場合のペンポイントの柔らかさの公式です。サファリのような平べったいニブならばそこそこの精度が出るかと思われます。
W以外は梁の性状から決定される定数ですので、これらを計算した値がペン先先端でのばね定数になります。
計算に使用する数値は以前の記事と同じ
bs: 0.5mm
be: 7mm
l: 9mm
h: 0.4mm
E, E1: 78GPa
E2: 359GPa
δ: 0.3μm
です。
結果は以下のとおり。y1がめっきなし、y2がめっきありです。
y1 = 0.1723762795W
y2 = 0.1685694686W
両者の比は2.21%です。前回の結果が2.81%ですので、そこまで大きな差はありません。
自分の持っているペン先でどのくらい変わるか知りたければ、ペンポイントの幅bs、エラの幅be、エラからペンポイントまでの長さl、ペンの厚みhを計測して上の式に入れれば分かります。計算の時はdegじゃなくradで計算してくださいね。
これら4つの数値の製造誤差、標準偏差がわかれば、上の2.21%が棄却域0.05で有意に差があるかどうかなんてのも分かるのですがねー。社外の人間が得られる情報ではありませんね。
しかしWolfram Alphaの便利さよ! ここまで便利ならば複雑になるからと諦めていたペン先丸み、ペン先厚み勾配を加味した計算もできるかもしれません。積分定数を求めるのがしんどそうですけど。
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